前回の投稿からかなりの日があいてしまいました。
相変わらずに楽しく着物生活(一般的な「サラリーマン」なので週末限定です。)をしています。
袷のお着物、銘仙を自宅で洗ってみたのでそのお話を書きたいのですが、
まずその前に、単衣の銘仙を洗った体験から先に記事にします。
記事にするつもりがなかったため、なんとほとんど写真がありません。
淡々と、文章のみの記事になっております。
ご了承ください。
ちなみに、袷の銘仙を洗った結果を先に発表すると、
成功事案が1件、人によっては失敗と考えるであろう事案が1件、
の計2件です。
詳細は次の記事でご紹介しますね。
かなりニッチなジャンルで、
やろうとする方がいるのか甚だ疑問ですが・・・。
皆さんご存じの通り、正絹のお着物は自分で洗うのはかなりのリスクを伴う冒険です。
今回の記事は、お着物のお洗濯の「HOW TO」ではなく、
あくまでも自己責任でやってみた「体験談」としてさらっと見ていただければ、と思います。
単衣の銘仙着物を洗ってみた
普段から、アンティークのお着物を愛用している私は、
お着物の多少のシミや傷みはほとんど気になりません。
でもやはり、ものによっては、
なんとなく「じっとり重たい」ような、
「さらっとしていない」ような、
あとは「においが気になる」など、
そのまま着用するのに躊躇するものもあります。
かといって、せっかくプチプラで購入したお着物をすべて洗いに出すのは懐が痛みます。
また、洗い張り(高額なので私はまだ未経験です。)なら話は別ですが、
比較的安価の「丸洗い」はドライクリーニングなので、
汗などの水溶性の汚れは落ちません。
近辺で唯一のアンティーク着物のショップのオーナーさんが、
「単衣のお着物や長じゅばんは、正絹のものでも、
多少の縮みが許容できる場合は自己判断で家で洗う。
ただし、しぼがあるものは激しく縮むので非推奨だし、
全くお客さんにはお勧めしませんが(笑)。」
とおっしゃっていました。
お勧めはされてないけれども、私も挑戦してみたくなり、実践した次第でございます。
まずは、言われたとおり「単衣」のしぼがなく、
つるっとしている「銘仙着物」でのチャレンジです。
とってもお求めやすい価格でお譲りいただいたお着物で、
失敗は覚悟の上です。
もしもお着物として着用できなくなったら、
ほどいて何か作ろう!と思って挑戦しました。
やり方は特に難しいこともないのですが、
一応ポイントをまとめてみます。
洗う前の準備
洗う場所
洗面台または大きな桶、浴槽など
用意するもの
大きめの洗濯ネット
中性洗剤またはシャンプー等
(私は愛用の ハイベック を使用します。
アクロンやエマールなどのおしゃれ着用洗剤でもいいと思います。)
※ハイベックその他の洗剤で、
公式に「着物が洗えます」としているものはないと思います(多分)。
完全に自己責任での使用となります。
洗濯液を作る
洗うものが浸かる量の水(お湯は絹が縮みやすいのでNG)に、
適量の洗剤(またはシャンプー)をよく溶かします。
原液のまま入れると溶かすのが大変です。
私はハイベックの蓋に、使用する分の洗剤と水を入れて、
計量スプーンの持ち手側でよく混ぜて緩めてから投入しています。
汚れている場所を確認し、お着物をたたむ
水につけると、汚れているところがどこだったかわかりにくくなります。
特に汚れていて念入りに洗いたいところがないか、
濡らす前にチェックしておきます。
お着物を本だたみ(わからない方はgoogleなどで検索してみてくださいね)にしておきます。
覚悟を決める
作業を始めてしまったらもう後戻りはできません。
失敗してもあきらめのつくお着物で、自己責任でお願いします!
いざ、銘仙、洗います。
洗い
洗剤を溶かした水にお着物を入れます。
先ほど覚悟は決めましたので、もう、ザブンと。
くれぐれも、後戻りはできませんので自己責任でお願いします。
表面に出ていない部分にも洗剤液がいきわたるようにします。
軽く折り目を開いたりして全体を浸します。
衿など汚れの気になる部分を手でなでるようにします。
ゴシゴシすると生地が傷みそうなので気を付けましょう。
ものによっては時間経過とともに激しく色落ちしてきます。
なるべく手早くするのがポイントです。
すすぎ
洗剤液を捨てます。
お着物がねじれたり引っ張られたりしないように、
やさしく押してすすぎます。
ハイベックはすすぎは1回で大丈夫です。
他のものは2,3回されるとよいと思います。
脱水
優しく水分をきったあと、なるべくたたまれている状態で洗濯ネットに入れます。
洗濯機で脱水します。
本回転になってから1分くらいで取り出しました。
ネットからお着物を取り出します。
アイロンをかける
脱水の後、干さずにアイロンをかけます。
じゅっと音がして怖いのですが、やるしかありません(笑)。
アイロン台にバスタオルを敷き、お着物を広げて、あて布をしてかけます。
気持ち、縦方向にテンションをかけて少し伸ばすような感じでかけていきます。
絹製品のアイロンの適温を調べると、あて布使用で低温と書いてあったりしますが、
私は様子を見ながら温度をあげ、高温でかけています。
なぜなら、全然作業が進まないからです(笑)。
途中から実はあて布もしていませんが・・・、どうするかはご自身で判断されてくださいね。
また、お着物によっては、あて布をしないとアイロンに染料が移ります。
アイロンが冷めてから濡らしたキッチンペーパーでふき取ると、
私の場合はアイロンはきれいに戻りました。
アイロンの傷みが心配でしたら、あて布はされた方がいいかもしれません。
乾燥と仕上げ
アイロンをかけても多少の湿り気が残ります。
完全に飛ぶまでハンガーにかけて干しましょう。
その後、気になるしわなどがあればアイロンで整えます。
しわが伸びたら、次はたたんだ形でアイロンをかけます。
お着物はキセという、
縫い目から数ミリずらしたところでつけている折り目があり、
その折り目でたたんであります。
たたんだ形でアイロンをかけるときには、
他のお着物のキセをお手本にしながらやってみてくださいね。
洗った後は、アイロンをびしっとかけたつもりでも、
なんとなくふわっとしがちです。
気になるときはお布団の下に敷いて一晩寝る「寝押し」がおすすめです!
朝起きた時に敷き布団をめくると、いい意味でお着物がぺたーーっとなっています。
和裁師さんの中にも寝押しをする方もいらっしゃると
何かの記事で読んだことがあります。
これで終了、お疲れ様でした。
水洗いをすると、縦方向に若干の縮みが出ることは覚悟しておいた方が良いです。
経験上、横方向はあまり縮まないように感じます。
このお着物の丈なら3センチくらい縮んでもまだ着られるかな…、というのを私は基準にしています。
私の身長が160㎝なので、
例えば対丈で着られるギリギリと自分で考えている、
身丈140㎝のお着物はこれ以上短くなると嫌なので自分では洗いません。
身丈145㎝のお着物なら、多少縮んだところでもともとおはしょりは出ないし、
少し縮んでも対丈で着られるから洗ってみよう、という感じです。
お着物を自宅で洗う時に、一番大変なのはアイロンだと思います。
これまで15年位前に買ったコードレスのスチームアイロンを使っていましたが、
何しろすぐにパワーがなくなり時間のロスがとてもストレスでした。
着物沼にどっぷりはまって、アイロンを使用することが多くなりましたので、
この度アイロンを新調いたしました。
それがこちらの
です。
お着物にアイロンのスチーム機能を使うことがほとんどなかったので、
単機能のため安価で、見た目もカッコイイ、安心のパナソニック製のこちらを購入しました。
結果、大満足です^^
時間のロスが少ないのでサクサク作業ができます!
一度やってしまえば怖くないのノリでもう、数枚、お着物を洗ってしまいました。
水洗いしてさっぱりしたお着物で、快適にお着物生活を楽しんでいます。
冒険する勇気のある方の、参考になれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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