着物のこと 袷の銘仙を自分で洗ってみた話

袷の銘仙を洗ってみた話

前回投稿した、こちらの記事の続編です。

前回は単衣銘仙着物のお洗濯のお話しでした。

単衣の銘仙や紬のお洗濯については
検索するとたまに記事にされている方がいらっしゃいますよね。

袷のお着物をお洗濯されている方の記事は少なめでしたので、
今回のわたしの体験(冒険)もどなたかのお役に立てればと思い、投稿してみます!

前回記事の冒頭でも書きましたが、客観的にみると、今のところ1勝1敗です。

しかし、1敗も何とかリカバリーして、自分で着用する分には問題ありません。

和裁経験のない私にとってはなかなかに大変だったのですが。

そうなのです。

今回は、若干のお裁縫が必要だったのです。

今回の記事も、お着物のお洗濯の「HOW TO」ではなく、
あくまでも自己責任でやってみた「体験談」「冒険談」でございます。

袷の銘仙着物を洗ってみた

今回洗ったのは、ネットショップで購入した銘仙のお着物。

見た感じさほど汚れもなく割ときれいだったのですが、少しにおいが気になりました。

銘仙アップ①
銘仙アップ②
衿。うっすらシミがあります。

洗う前に

このお着物を洗うのにあたり心配だったことは以下の2点です。

  • 袷着物なので、胴裏+八掛の縮み方と表地の縮み方に差が出て袋になってしまわないかということ。
  • 白地の部分に、ほかの部分の色がうつってしまわないかということ。

しかし、実はこのお着物の前に袷の銘仙を1枚、すでに洗っていまして。

そちらは表地、裏地のどちらかが大きく縮むということもなく、
アイロンがけでピシッと仕上がり大成功でした。

また、前回のお洗濯中は、洗濯液に恐ろしいほど染料が出たのでしたが、
全体的に濃い色の銘仙のお着物でしたので、
色移りは、仕上がりをみても感じませんでした。

その時のお洗濯が、1勝1敗の「1勝」です。

それを踏まえての今回の袷の銘仙着物のお洗濯だったのですが。

いざ、袷の銘仙、洗います。

使うのは、お気に入りのこの洗剤。

ハイベック です。


着物のお洗濯の詳しい手順などを見たい方は 前回の記事 をお読みください。

先に書きますが、色移りについては、今回は全くありませんでした。

洗濯液にもごくわずかに赤っぽいような染料がでましたが、
白地の部分に着色するようなことはありませんでした。

色移りなし①
わずかに色がでているような感じはあります。
色移り②
排水中です。

すすぎが終わったら、ひねらないように丸めて体重をかけて上から押して、脱水します。

丸めた着物
丸めた着物です。

今回は、洗濯機の脱水を使用せずタオルで水分を吸い取りました。

タオルと着物を一緒に巻いて、摩擦がなるべく起きないようにそーーっと上に乗ったりしてみました。

バスタオルの上に置いて
バスタオルの上に置いて
タオルと着物
タオルと着物を一緒に巻き、やさしくフミフミ

タオルドライである程度水分をとったら、アイロンをかけます。

水分が多いうちは、上にもタオルを敷き、タオルでサンドイッチ状態でアイロンをかけました。

アイロン
アイロン台にバスタオルを敷いて

だんだん面倒になり(時間もかかるので)、
アイロンは結局あて布なしの直かけにしました。

最後に干す
着物ハンガーにかけて完全に乾かします。

あらかたしわが伸びたら着物ハンガーにかけて完全に乾くまで干します。

天日にあてず必ず日陰で干しましょうね。

完全に乾いたら、残ったしわをアイロンで伸ばしつつ、
他の袷着物を参考にしながらキセをアイロンでつけます。

これが、なかなか難しいです。

単衣ならまだしも、袷の場合は表地も裏側もキセをかけようとすると思いのほか難しく、、。

表地だけは精一杯ちゃんとキセをかけ、
見えないところはなんとなくで(すみません。)、アイロンをかけます。

この時点で、袋になっていなければ…、ほぼ終了です。
(袋…中側の生地(胴裏や八掛)と、表の生地の縮み方に差があり、どちらかがたるんでしまっている状態)

折りたたんだ形で折り線にもアイロンで形付け、
一晩お布団の下に敷いて寝押しして完成となります。

ちなみに、私が使用しているのはこのアイロンです。

必要最低限のドライアイロン、安心のパナソニック製で安価でお気に入りです!

我が家にはコードレスのスチームアイロンもあるのですが、
すぐに充電を要求されるので仕事が進まず、いつも、もやっとしていました。

こちらの有線アイロンはスイスイーっと仕事がはかどります!


袋になってしまったら、リカバリーが必要です!

ここから先はお写真がありません(必死すぎて)。

洗い上り、最後にしわをアイロンでとると、
少しだけ八掛が縮んでしまったようです。

今回は、残念ながら袋になってしまっていました!

おそらく裏側の生地と表側の生地の長さの差は1~1.5㎝くらいでしょうか。

裏側の生地の方が、縮みが大きく、短い状態です。

表の生地が、もたっとたるみ気味です。

八掛の裾の縫い代がたくさんあったら、裾だけ解いて縫い代で長さを出せないかな、と思ったのですが。

今回は裾の縫い代はすごく少なかったので、もう、仕方ありません。

たくさん縫い代のある、胴裏と八掛の縫い目を開いて、
足りない分の裏側の丈を出しました。

つまり、衽と上前・衽と下前・背中心・両脇線も、
表生地と裏の生地が縫い合わされていますので、
ほどいて縫い直しになります。

自分用なので、衽と下前の縫い線については、
着てしまえば見えないのでズルして簡単に始末してしまいました。

魔改造ですみません。

「自分用だから」

という言い訳を全面に押し出して、なんとか手直し完了です。

仕上のアイロンをかけたら、2晩ほど、寝押しをして出来上がりとなりました!

洗い上りは、リユースの着物独特の古いにおいが取れ、
さらっとした手触りです。

衿にうっすらあったすじは消えませんでしたが、おおむね満足です。

ああ、大変だった笑。

この袷の銘仙のお洗濯が、1勝1敗の「1敗」です。

なんせ、大変だったので…。

これにて、冒険、終了です!

袷の銘仙を洗い終えて思ったこと

体力気力のないときには、手を出してはいけない、と思います。

元気な時に失敗覚悟で「チャレンジするぞ!」と、挑める方向きのリスクの高い案件です。

一度洗ったものはそれ以上縮みにくいという記事があちこちに見られますので、
前回洗った「1勝」の銘仙と、この銘仙については私はきっとまた自宅で洗うと思います。

ただ、今回ちょっと、大変だったので…。

今はネット上で申し込めるお手軽な着物の丸洗い、汗抜きもあります。

次回からは銘仙も、袷ならネットの着物クリーニングに出すかな、という心境です。

特に、針と糸がお好きじゃない方にはクリーニングに出すことをおすすめします。

お近くに着物専門のクリーニング店がない方は、ネット上のクリーニング店がおすすめです。

その時々によって、

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私も利用したことがありますが、梱包して発送することが一番の山場で、
あとは待っているだけで自宅まで送ってくださるのでとっても便利でした。

お召やちりめんなどは自分で洗うのは恐ろしいので、こういったお店を利用しています!

時間的、体力的にも、今回は実験的に挑戦してみましたが
次回からはおとなしくクリーニングに出そうと思います(;^_^A

最後までお読みくださりありがとうございました。

着物、一緒に生活楽しみましょうね(^^)

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